白神山地とは、青森県から秋田県にまたがる約13万haの広大な山岳森林地帯の総称であり、その中心部の約1万7000haが平成5年(1993)12月11日に「世界自然遺産」として登録されました。
白神山地の特徴は、人の影響をほとんど影響を受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布していることにあります。周辺は大昔から少しずつ隆起してできた山岳で、深い谷が入り組み、落差の大きな滝も数多く、変化に富んだ地形となっています。
白神山地のブナ林は8千年前の縄文時代の始まりのころに誕生したと考えられています。ここにはうっそうとした原生林が残っており、日本特有の落葉広葉樹ブナをはじめ、様々な樹木や草花が共存し、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、イヌワシなど貴重な動物や鳥たちのすみかとなっています。
白神山地を形成するブナの天然林。このブナには「周年開花/周年結果」という特性があり、数年に1 回しか花を咲かせません。そして花が咲き、実がなる「成り年」には、北は北海道から南は九州までのブナがいっせいに開花して種子を落とします。そのメカニズムについてはいまだ解明されていません。こうした神秘性も大自然の魅力のひとつといえるでしょう。
白神山地のブナ原生林は、花を咲かせ、種子を落とし、芽吹くという悠久の繰り返しで有史以来の歴史を刻んできました。日本の代表的な“ブナの森”を後世に残すために、入山する場合はゴミを捨てない、樹木や草花を傷つけないなど、自然保護の基本的なマナーを守りたいものです。
- 参考文献
- 「ハンドブック 白神山地の自然」青森県立郷土館発行
- 「白神山地の自然」青森県発行