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ピサのドゥオモ広場 | 世界遺産を巡る旅
注目情報
「斜塔」で有名なピサの「ドゥオモ広場」。でも斜塔だけ見てすぐ帰るなんてもったいない!見どころは「大聖堂」「洗礼堂」「墓所」と、斜塔以外にもいくつもあるからです。写真を拡大する⇒
4つの建造物は、ひとまとまりとして世界遺産に登録されました。広場に立てば、すぐにその理由に納得するはずです。白亜の大理石の建造物群が作り出すアンサンブルの妙味。20世紀イタリアの詩人ダンヌンツィオは「奇跡の広場」と呼んでこれを賛嘆しました。この「奇跡」という言葉は、景観の美しさだけでなく、ドゥオモ広場をめぐって繰り広げられたドラマのキーワードにもなりそうです。
ピサは古代から海洋王国として発展し、中世には地中海交易の覇権を握り繁栄を極めました。1063年にはイスラム艦隊を破り、大聖堂は戦勝祝いで建設されたといわれます。外観はイタリア・ロマネスク様式ならではの小列柱やイスラム風の尖頭アーチで彩られ、内部はギリシャ風の重厚な大柱やビザンティンのモザイクで飾られています。さらに大聖堂の隣に建てられた洗礼堂は、中世末期のゴシック様式で建てられています。これほど多彩な地域や時代の様式が折衷されて建設された聖堂は建築史的にも珍しく、それこそドゥオモ広場の第一の奇跡といえるでしょう。 写真を拡大する⇒
第二の奇跡は、広場の端にある墓所カンポサントにまつわる物語です。内部には高さ3m超の巨大な壁画があり、腐乱した死体などを生々しく描いた地獄絵図が広がります。当時の人々は病気や飢饉など、死と隣り合わせに生きていました。13世紀、この不安を少しだけ和らげる宝物を十字軍がパレスチナから持ち帰ります。カンポサントに収められたこの戦利品は、イエス・キリストが磔刑に処されたゴルゴダの丘の土。遺体を埋葬すれば、腐敗することなく白骨化するといわれる「奇跡の土」だったのです。
ドゥオモ広場をめぐるドラマに、17世紀にピサ大学で教授を務めた科学者ガリレオの存在は欠かせません。たとえば大聖堂に吊るされた「ガリレオのランプ」。これを見てガリレオは、振り子の揺れの大きさに関係なく往復の時間が同じである「振り子の等時性」を発見したといわれます。斜塔から大小の鉛球を落とす実験で、物体の重さに関係なく落下速度が同じ事を証明した逸話も有名です。広場は近代科学の誕生という奇跡の現場を目撃したのです。
ドゥオモ広場最大の奇跡ともいえる斜塔は、1173年に起工した当初からすでに傾き始めていたとか。この奇妙な塔は「世界の七不思議」のひとつに数えられますが、傾斜が増せば倒壊の恐れもあるのですから、奇跡としてファンタジーを感じているだけではすまされません。20世紀末には傾斜の進行を防ぐために、およそ10年の歳月と何十億円という資金を投入して工事が行なわれました。奇跡を維持するための努力は、今日も続いているのです。

| 英文名 | Piazza del Duomo, Pisa |
|---|---|
| 仏文名 | Piazza del Duomo a Pise |
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 登録年 | 1987(拡張2007)年 |
| ホームページ | ユネスコ公式サイト(英語) |
| 登録基準 | (i)(ii)(iv)(vi) |
| 関連リンク |
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