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情報誌を手繰るより大切な奇遇 「うを多」の暖簾をくぐったある日|京都コラム - MSNトラベル

雑踏を避け逃げ込んだ祇園の路地で、再会した店 情報誌を手繰るより大切な奇遇 「うを多」の暖簾をくぐったある日

東山通を北に上がり「旅館東山ホテル」の角を西に曲がると風情ある坂に出合う。

東山通を北に上がり「旅館東山ホテル」の角を西に曲がると風情ある坂に出合う。

祇園町南側は弥栄中学校の裏道の景趣

麻生首相のETC効果?はご多分にもれず、ここ京の町にも他府県ナンバーを増やすこととなり、その観光ラッシュは桜前線からの延長戦のようにGWにまで雪崩込んだ。京都市が年間の入洛(らく)客目標「観光客5000万人構想」を打ち出してから「産」「官」「寺社」が緊密な関係になり、二年前倒しで実現してしまったのだからその多さには本当に驚かされる。小生の大切な生活路、五条通や三条通は、時として回避することも難しい大渋滞が巻き起こり、マイカーを置き去りにした休日でさえ散歩もままならぬ状況、その人ごみにも辟易(へきえき)させられることが多い。

坂を下りれば次の通りにはBar「祇園サンボア」、そして少し前まで叔母が住んでいた町家が見えた。

坂を下りれば次の通りにはBar「祇園サンボア」、そして少し前まで叔母が住んでいた町家が見えた。

こんな時、町中で決まって混雑するのが「清水寺」への上り口、五条坂から八坂神社間の東山通である。観光客たちにとってもはや「旅情」などという言葉は存在しないのだろうか、そんな疑問を抱きながら東山をそぞろ歩いていたが、ついに我慢できず、祇園石段下の人いきれを避けるように「旅館東山ホテル」の角の坂を西へ下ることにした。どこからともなく三味の音がこぼれ、落陽が瓦の屋根屋根に顔を埋めようとするそんな時分だった。その一瞬の風景にこの町で生まれ育った喜びを覚え安堵(あんど)した。少し前まで叔母が住んでいた小さな町家にほのぼのとさせられながら、弥栄中学校の南側の塀沿いをゆっくり歩いた。

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文&写真:モトハシ・カズヒロ
モトハシ・カズヒロ

京都の染屋に生まれ育ち半世紀、温故知新を追究するあまり物見遊山な精神だけが旺盛になり、家業に戻れず添乗員時代を経て雑誌編集の仕事にどっぷり浸かる。地元に蠢く象徴的貧困な観光客の姿とその紋切り型行動に辟易し、京都人ならではの町歩きを心掛ける。故・雁之助氏の「裸の大将」を舞台公演にて受け継ぐ芦屋小雁を師匠とする京のご意見番。 「ミシュラン」はガイドブックより断然タイヤの方が優れていると、思う一人である。

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