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呉服屋筋の町家に突如現れた 「ならいごとの十色」の正体|京都コラム - MSNトラベル

呉服屋筋の町家に突如現れた
「ならいごとの十色」の正体

烏丸は仏光寺を東に行ったすぐの南側には「閻魔堂」が鎮座する。詳しくは本文を読んでほしい

烏丸は仏光寺を東に行ったすぐの南側には「閻魔堂」が鎮座する。詳しくは本文を読んでほしい

烏丸仏光寺西入ルは「京町家buson」の不思議

この界隈(かいわい)は最近なぜだかよく歩く。というのも小生の師匠としてあがめる、芦屋小雁その人が、のれんや看板に一筆をふるった「閻魔堂」という店が、仏光寺は東を入ったすぐの所にあるからだ。そもそもこの店、大人の居酒屋と銘打った創作料理屋なのだが、小生がいわゆる夜遊びデビューを果たしたころからよく遊んでいる、「電気食堂」という店のオーナー高橋氏が、昨今満を持してこさえた店である。師匠の仕事仲間の打ち合わせや接待にもよく使い、やれ祇園の料亭や高級クラブといった御仁らとは一線を画している。ここ四条烏丸のオフィス街周りも最近は結構使い勝手のいい店が増えて、面白くなってきた感がある・・・。

町家の顔でもある「おくどさん」周り。「お」は接頭語、「さん」は敬語的ニュアンスと親しみ感を表現し、くど=火処(ひどころ)=「竈(かまど)」である。このビジュアルは水を下に走り流す所の意から、「走り」と呼ぶいわゆる「流し台」の様子がよく分かる

町家の顔でもある「おくどさん」周り。「お」は接頭語、「さん」は敬語的ニュアンスと親しみ感を表現し、くど=火処(ひどころ)=「竈(かまど)」である。このビジュアルは水を下に走り流す所の意から、「走り」と呼ぶいわゆる「流し台」の様子がよく分かる

そんなこんなで、烏丸は仏光寺を何げなく西に向いたある日のことだった。祇園祭ならさしずめ白楽天山(はくらくてんやま)や船鉾(ふなぼこ)目当てにそぞろ歩き、辺りの呉服屋さんが代々伝える逸品の一般公開、そう「屏風祭」などを楽しむべく足を向けるのだが、この日ばかりはまったくもって何の考えもなく「京町家buson」さんの前を通ることとなった。「京町家buson」といえば、そもそも創業明治27(1894)年より呉服の卸を営んでいる「啓明商事」という老舗の別名称である。ここはかの与謝蕪村が移り住み、俳諧や絵画の創作にいそしみつつ晩年を過ごした地であることから、店の前にはその謂れ(いわれ)がしっかり記されている。何でも現在は店の駐車場として使われている辺りに長屋町家が立ち並び、その一番どんつきに住まいがあったらしい。

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文&写真:モトハシ・カズヒロ
モトハシ・カズヒロ

京都の染屋に生まれ育ち半世紀、温故知新を追究するあまり物見遊山な精神だけが旺盛になり、家業に戻れず添乗員時代を経て雑誌編集の仕事にどっぷり浸かる。地元に蠢く象徴的貧困な観光客の姿とその紋切り型行動に辟易し、京都人ならではの町歩きを心掛ける。故・雁之助氏の「裸の大将」を舞台公演にて受け継ぐ芦屋小雁を師匠とする京のご意見番。 「ミシュラン」はガイドブックより断然タイヤの方が優れていると、思う一人である。

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