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地震後ひと月。岩手・宮城の内陸温泉 その1|温泉コラム - MSNトラベル

地震後ひと月。
岩手・宮城の内陸温泉 その1

岩手の矢びつ、黒滝、国見平、営業再開です。

6月14日、マグニチュード7・2を観測した岩手、宮城の内陸部。ひと月を過ぎ、一部、復興の話も聞かれるようになってきた。そこで地震にあった温泉がどんな状況なのか現地へ出かけてきた。

まずは岩手県一関市。東北道一関インターから須川温泉へと向かう国道342号線は、祭畤大橋が落ち、道路が一部崩落、通行不能になっている。橋の向こう、真湯山荘は「現状不明」のまま休業中。再開の見通しもない。橋の手前、通行可能な最後の温泉、矢びつ温泉「瑞泉閣」は、温泉パイプの破損を修復し6月21日より営業を開始。だが「お客様は例年の半分以下。ようやくキャンセルがとまったところです」といった状態(7月18日現在)。

宿泊した日には数組の観光客にまじり調査や工事のための男性客がちらほら。だけどお風呂は貸し切り状態だし、「こんなときに来てくださるお客様に精一杯もてなしをしよう」というスタッフの心遣いが感じられて、一種独特の居心地の良さ。震災に耐えた建物は鉄筋で頑丈。ゆったりと熟睡できた。

奥州市衣川区にある人気の日帰り入浴施設「黒滝温泉」は、6月28日より営業開始。「源泉は建物のすぐ裏手。お湯は大丈夫でしたが、水源がダメになってしまいました」。ここは肌がつるつるっとする泉質自慢の湯。「雨の日なんかびっくりするほど混んでいましたが、今は雨が降ると運転が怖いのか人が少ないです」。黒滝は地元客の多い湯だ。「いんや、揺れて揺れて、おっかねかった」「今まで生きてきた中であんな揺れはじめてだぁ」、脱衣場ではおばあちゃまたちが地震のときの恐怖を口々に話していた。聞くと一人暮らしの年配者も多い様子。地元温泉は被災者にとってなくてはならない憩いの場になっている。

矢びつ温泉

矢びつ温泉

矢びつ温泉の一軒宿、瑞泉閣。震源地から約8キロという近さながら、建物被害はほとんどなかった。「すぐ前を流れる川の水が、いつもは瑠璃色でキレイなんですが今は少しにごっているぐらいでしょうか」。(写真左上、右上)

温泉は塩化物・硫酸塩泉。量も湯温も地震後、変化はないとのこと。内湯はろ過あり、露天はかけ流し。露天の湯口には赤い鉄の堆積物がこびりついていた。出かけた日には夜も朝も貸し切り状態でした。(写真左下、右下)

矢びつ温泉

スタッフは若い人が多くもてなしは丁寧。駐車場まで迎えに出てくれ荷物を運んでくれたのはありがたかった。家が被災してしまったスタッフもいるようだが、一生懸命働いている様子。頑張ってください。(写真左上)

国道342号線は一部、迂回路となる。その途中、美しい田園風景が広がっていた。あとで聞いたところ「骨寺村荘園」という景勝地。迂回したからこそ出会えた景色に感動!(写真右上)

国道342号線にある道の駅では、地元農産物を販売。ニンニク6個で300円、トマト4個で200円などお手頃価格。「お客さんは少ないですが頑張ってます。みなさんお立ち寄りください」。迂回路を記した地図ももらえます。(写真左下、右下)

黒滝温泉

黒滝温泉

矢びつ温泉から車で20分の立ち寄り入浴施設。弱アルカリ性のお湯は肌にやさしい入浴感。年配者に人気の「電気風呂」もあり。一部通行止めの道もあるので出かける前に確認を。

黒滝温泉

平成2年、温泉の開業当時からのスタッフ高橋さん。「お湯は地震後しばらくにごりが出ましたが今は元に戻りました」。活気のある施設だが、「地震前は休憩室に入りきらないぐらい人が来る日もあったんですよ」とのこと。

国見平温泉

国見平温泉

7月6日より営業再開。再開を知らない人もまだ多いようで入浴客は数名。こちらは石油のような匂いのあるお湯。濃厚でよくあたたまる。電気風呂や露天風呂もあり。食堂での名物は、はっと入り国見ラーメン。

国見平温泉

国見平は黒滝から車で20分ほどの場所にある立ち寄り入浴施設。途中、崖の崩れた場所や片道通行の道路もあるが、運転には支障がない。

次回更新は7月31日予定です。お楽しみに!

【DATA】
矢びつ温泉
「瑞泉閣」
TEL 0191-39-2031
[住所]岩手県一関市厳美町字下り松65-2
http://www.zuisenkaku.com/
黒滝温泉
TEL 0197-52-3150
[住所]岩手県奥州市衣川区上立沢112
国見平温泉
TEL 0197-52-6011
[住所]岩手県奥州市衣川区長袋230-5
文&写真:西村りえ

温泉ライター歴19年。国内外で浸かったお湯は千湯以上。肌でpHを感じ、飲んで湯の成分を確かめるのを信条に、温泉行脚の日々を過ごす。温泉入浴剤にもこだわりあり。
旅行誌などで温泉記事を執筆中。日本温泉地域学会員

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