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日本の春を代表する花といえば、梅と桜。どちらが好きか問われれば桜と答える人が多いのではないでしょうか。熱海梅園に出かけるまでは私もその一人でした。明治19年、横浜の豪商らによって開かれた熱海梅園には、60品種454本の梅の木が植えられている。枝や幹がごつごつと目立ち花は控えめ。ところが写真を撮ってみると、ひと花ひと花の可憐なこと! 桜花は風景の中で美しく映えるが、梅は一本一本の木、一つ一つの花が凛と香り立ってくる。見れば見るほど上品な梅の美しさに魅了されてしまった。
この梅園、湯治をする人は湯に浸かってぐだぐだしているだけじゃなく、適度な運動をした方がいいですよ、という趣旨の下に造園。そのためか園内は起伏があって歩くといい運動になる。
観梅のあとは、ひと風呂浴びたくなってくる。地元の人に聞いたところ、「立派じゃないけれどお湯はいい」という立ち寄り施設「日航亭」を教えてくれた。梅園からは坂を約20分ほど下っていく。源泉温度は約98度。極熱の湯を加水もせずかけ流しで使っている。しょっぱくて力のあるいいお湯だ。成分が濃いためか、お湯が熱いためか、長湯はできないが、湯上がりはぽかぽかとよく温まる。
日航亭は元々旅館だったが、5年ほど前に立ち寄り専門の施設となった。畳の休憩室など昔の和風旅館の雰囲気。ごろりと寝転がりのんびり過ごす人が多く見られた。周辺には熱海の元湯・大湯間歇泉の史跡があったり、路地裏の坂道を歩けたりとオールド熱海の風情。表通りから少し入っただけで印象は一変。熱海の素顔が垣間見えてくる。
温泉ライター歴19年。国内外で浸かったお湯は千湯以上。肌でpHを感じ、飲んで湯の成分を確かめるのを信条に、温泉行脚の日々を過ごす。温泉入浴剤にもこだわりあり。
旅行誌などで温泉記事を執筆中。日本温泉地域学会員
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