
広告
長野市松代町は真田十万石の城下町。佐久間象山や松井須磨子の生まれた町でもあり、池田満寿夫美術館も立つ。観光名所が多いだけに、温泉地のイメージは薄い。ところがどうして、松代には、日本でも数少ない濃厚湯がわいている。町内には数軒の温泉施設があるが普通に利用しやすいのは国民宿舎松代荘。成分総計は16,470mg(お湯1kgあたり)。カルシウムやら遊離二酸化炭素やらヨウ素やらメタケイ酸やらリチウムやら鉄分やらが、温泉法で規定されている量の3〜25倍も含まれている。お湯はお肌にまとわりつくよう。小さな傷口からじんじんと成分がしみこんでくる。入浴後は爪の先が黒く変色していた。
松代荘は立ち寄り入浴も宿泊も食事だけもできる設備の整った施設だ。支配人の小柳司さんは温泉療養指導士でもある。「松代の湯は、信玄の隠し湯ともいわれており歴史は古い。主に地元の方々に愛されてきたお湯です。あたたまり効果が抜群で、つえをついていらした方が、帰りにはつえを忘れて帰るということがよくあるんですよ」 浴室裏手にある温泉タンク(炭酸ガス抜き用)を特別に見せていただいた。タンク表面はびっしりと温泉成分に覆われている。その文様は、温泉が造り出した芸術作品のよう。まるでタンク自体が生きていて動きだしそうにも思えてくる。すごいなあと思わずうなってしまうすさまじさ。成分の濃さを目で肌で感じられた。
温泉ライター歴19年。国内外で浸かったお湯は千湯以上。肌でpHを感じ、飲んで湯の成分を確かめるのを信条に、温泉行脚の日々を過ごす。温泉入浴剤にもこだわりあり。
旅行誌などで温泉記事を執筆中。日本温泉地域学会員
このページ上に表示される記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。