
「壁紙の接着剤みたいだ」などとポイのことをいっては、地元の人にとっては「滑稽」どころか「侮辱」としか聞こえない。タロは神聖な食べ物。すべての生命の根源と考えられている。タロの地下茎はオハ‘ohaと呼ばれる。オハナ‘ohana(家族)はこのオハから派生した語だ。古くハワイではタロイモ畑の世話は男性だけに許されていた。女性は生理があり不浄だとされたからだ。今でも伝統的な家庭ではタロに特別な敬意が払われ、食卓にポイの鉢があるときは論争したり、怒ったりしてはならないといわれる。
ハワイ文化の復興が叫ばれた1970年代、タロを大規模な商業市場に乗せるべく栽培を拡大しようとする動きがあったが、長くタロの生産は増減を繰り返してきた。つい最近までタロイモ農場は苦戦を強いられていた。若い世代が農業への関心を失い、また病気の蔓延とヘビの大発生で作物が被害を被ったためだ。
近年になってタロは復活した。ハワイ大学医学部のテリー・シンタニが米よりもタロイモ(カロリーは半分)を主食にする「ハワイ・ダイエット」を開発し、高級レストランの有名シェフもタロに注目するようになった。スーパーマーケットでは多くのメーカーのポイが販売され、タロ・チップやタロ・ビスケットなどの製品も売られている。マウイ島に本社のあるハワイ・タロ・カンパニーは全島とアメリカ本土の自然食品のスーパーでもタロ・バーガーを売り出している。
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