
岩原、オヒアがところ狭しと茂る多雨林、ゆるやかにうねる牧草地、亜寒帯の山頂と、その風景は変化に富んでいる。未開の土地が延々と続き、人っ子ひとりいないへんぴな場所も見られる。ビッグアイランドと呼ばれるこの島の美点、それは広大な辺境地帯であることだ。
もちろん、市街地開発は浸食してくる。島の人口が集中するヒロとカイルア・コナは、どちらも個性的な魅力を持つ。風下側の海岸では、太陽と白い砂のビーチで人気のコナが最大の観光地だ。この地域は「ゴールド・コースト」と呼ばれ、1960年代以来、高級リゾートや海に面した大邸宅が次々に立ち並ぶようになった。
風上側のヒロの平均年間降水量は130インチ(3302mm)と聞いて訪問を思いとどまる人もいるが、実は雨はありがたいものなのだ。目を見張るほどみずみずしく茂る緑、雨林の影にひそむ滝の数々、海岸に切り込む素晴らしい峡谷がハワイ島東部にあるのも雨のおかげである。
島の大部分は田舎のままで、「のんびりいこうや」というリラックスした雰囲気が今も漂う。だが、近年になって土地の値段が比較的安いこの島に別荘を買う人やアメリカ本土からの移住者が集まって一部の地区の高級化が進み、地元島民は困惑している。
島で最もユニークな見どころは、ハワイ火山国立公園にある活火山キラウエアだ。気まぐれな自然によって、溶岩地帯が果てしなく広がる。灼熱の溶岩が湧き上がって大地を創り出す過程が目撃できるかもしれない。
ビッグアイランドでは、季節よりも場所による気候の差が大きい。西側のコナ・コーストKona Coast、とりわけ海面と同じ高度では、評判通り四季を通じて晴天が多い。耐え難いほど暑いときもあるが、いくらか標高の高いコーヒー・カントリーへ行けば、空気はかなり涼しくなる。コナの降水量と気温は年間を通してほとんど変化がないが、季節による潮と海岸の砂の変化は著しい。ホワイト・サンズ・ビーチWhite Sands BeachとマニニオワリManini‘owaliの砂は、冬が来るたびにほとんどなくなってしまうが、夏になるとまた海に運ばれてくる。一般的に島の海は夏に穏やかで冬には荒れる。だが、海の状態は予測が難しいので、その場で最も適切な判断をしよう。
東側の海岸にあるヒロは、ずっと降水量が多く、年間で100インチ(2540mm)以上にもなる。しかし、暴風雨ではなく典型的な霧雨であれば、ほとんど害はない。降っても気温は快適なままだからである。火山にある集落はいくらか涼しく、ハワイ火山国立公園を訪れた人々はよく土砂降りや肌寒い夜の不意打ちを食らうことがある。だが、島で最も寒い人口集中地域はワイメアWaimeaで、毎日のように霧が降りてくる。
マウナ・ケアMauna Keaの風上側の標高2500フィート(750m)あたりでは、年間降水量は約300インチ(7620mm)だ。雨は、雲が山の上に昇るまでにすっかり絞り出されてしまうので、マウナ・ケアとマウナ・ロアMauna Loaの山頂に届く水はわずか15インチ(381mm)にすぎず、しかも、たいていは雪となって降る。亜熱帯性の激しい冬の嵐がヒロを襲うと、山地では9000フィート(2700m)の低さまで吹雪に見舞われることもある。
1月の平均最高気温は、ハワイ火山国立公園で65°F(18℃)、ヒロで79°F(26℃)、カイルア・コナでは暖かな81°F(27℃)である。8月になっても5°F(3℃)ほど高くなるだけだ。夜間になると気温は15°F(8℃)も下がる。
ヒロ国立測候所National Weather Service Hiloはビッグアイランドの天気予報、ヒロとその周辺の天気予報、海の状態を録音メッセージで提供している。ハワイ火山国立公園Hawai‘i Volcanoes National Parkは噴火活動と展望スポットの録音情報を流している。
■飛行機で
ほとんどの旅行客は、まずホノルルに飛び、そこを経由してコナかヒロの空港に着く。どちらの空港へもかなり頻繁にフライトがあるが、どちらかといえばコナのほうを利用する人が多くなってきた。アメリカ本土からのフライトや国際便のほとんどもコナに乗り入れている。
ヒロ国際空港Hilo International Airport(略称ITO)11号線を出てすぐ。11号線と19号線の交差点から南へ1マイル(1.6km)も行かないところにある。
コナ国際空港(ケアホレ)Kona International Airport at Keahole(略称KOA)カイルア・コナの7マイル(11.2km)北、19号線沿いにある。比較的混雑している。すべてが屋外にあり、飛行機から滑走路に直接降り立つ。
ハワイの島々を結ぶ主要航空会社は、ハワイアン航空Hawaiian Airlinesとアロハ航空Aloha Airlinesの2つである。ハワイアン航空とアロハ航空の島間フライトは全便ホノルルHonoluluを経由する(ハワイアン航空のカイルア・コナとマウイを結ぶ便を除く)。ホノルル経由のフライトは定期的で、どちらの会社もヒロとカイルア・コナから1日に10便ほどある。運賃は片道で$100近くする。
もう一つ、アイランドエアーIsland Airを利用する手もある。この会社は唯一カイルア・コナとヒロを結ぶ便を運航している(ビッグアイランドの旅行者は、島内は車で移動することが多い)。だが、アイランドエアーのフライトは1日に2〜4便しかない。運賃はいつ予約したかによって異なるが(800の番号にかけるとすごく待たされるので覚悟しよう!)$85〜110だ。
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