
韓国のほとんどのホテルでは、案内用のビジネスカードの裏側に地図を載せている。それもそのはず、この国では住所から場所を探すことがほとんど不可能に近い。ソウルでFAXが非常に普及したのは、ひとつには韓国人が場所を説明するために地図をFAXしあうことが多いためなのだ。
韓国では、“住所”は名ばかりのものにすぎない。国中探しても、通りの名前を明記した表示板はまずない。それどころか、ほとんどの通りにそもそも名前がついていないのだ。家々には戸別に公式の番号が割り振られているのだが、それを玄関や門に表示している家など一軒もない。残念なことに、この“表示されない番号”すらほとんど意味をなしていない。建てられた順番に割り振られた番号なので、27番の家の隣が、324番だったりするからだ。大きな建物には、たいてい名前がついている。これを覚えておけば、住所を覚えておくよりずっと役に立つことが多い。
区guとはソウルなどの大都市だけで使われている区域表示で、ドン(洞)dongは区guよりせまい範囲を表している。したがって、ヨンサング(龍山区)イテウォンドン(梨泰院洞)104という住所は、「ヨンサン地区内のイテウォン周辺にある104番の建物」という意味になる。たとえ韓国人の友達が助けてくれたとしても、この建物を探してイテウォンを何時間もさまようことになるのはまちがいないだろう。最善の方法は、目的の場所に直接電話して行き方をたずねるか、警察か観光案内所に助けを求めるか、FAX受信のできる場所を探すことだ。
“大きな通り”という単語はノ(路)noかロ(路)roなので、チョンノ(鍾路)はチョン通り、ウルチロ(乙支路)はウルチ通りという意味になる。また、こうした大きな通りはガ(街)gaと呼ばれる区画で区切られている。ソウルの地下鉄の路線図に、ウルチロサムガ(乙支路3街)とウルチロサーガ(乙支路4街)という2つの駅名があるが、これはウルチ通り上の別の区画にそれぞれ駅があるということである。ノnoやロroより小さい通りを表すときは、キルgilという語が使われる。たとえば、インサドンキル(仁寺洞キル)がそうだ。
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