
独特なネワール・パゴダ様式寺院の数々がカトマンズ盆地の地平線を華々しく飾っている。厳密にいえばネワール風でもパゴダ様式でもないが、盆地にある寺院の呼び方として広く受け入れられてきた。
通常、寺院は正方形の設計でヒンドゥー教または仏教(母神の場合は双方とも)のものだ。まれに長方形や八角形の寺院もある。この形は奉られている神によって決まっていて、たとえばクリシュナ神Krishnaならば八角形寺院に奉られるが、ガネシュ神Ganesh、シバ神Shiva、ビシュヌ神Vishnuは正方形の寺にしか鎮座することができない。
寺院の主な特徴は階層になった屋根。一重から五重まであるが、二重、三重が一般的だ。カトマンズ盆地には四重塔が2つ、五重塔が2つある(パタンPatanのクンベスワルKumbeshwarとバクタプルBhaktapurのニャタポラNyatapola)。勾配のある屋根は普通、独特なジンガティjhingati(焼き瓦)で葺かれているが、財力のある寺院は金メッキした銅板葺きの一重の屋根であることが多い。ガジュールgajur(寺院の小尖塔)はたいてい鐘型で、焼き粘土か金メッキした銅で作られている。
通常、寺院は段状の基壇上に建てられていて、基壇が寺院そのものと同じ高さ、またはそれ以上の高さであることがある。基壇の段数が屋根の階層数と一致している場合もある。
寺院の建物自体には、本尊を奉ったガルバ・グリハgarbha-griha(“子宮の部屋”の意)と呼ばれる小さな内陣があるだけだ。礼拝は個々に行われ、熱心な参拝者が扉の外に立って祈願をする。実際に中に入ることを許されているのはプジャリpujari(院僧)のみ。
寺院の中でおそらく一番興味をそそられるのは細緻な装飾だが、近くまで寄らなければよくわからない。それぞれの屋根の下にはキンキニマラkinkinimala(小さな鐘の連)や彫刻の施された金属の縁飾りなど、真鍮や金属で作られた装飾が施されている。パタカpatakaと呼ばれる細長い金属の装飾連が屋根のてっぺんから最下層の屋根まで延ばされている(パタンのゴールデン・テンプルなど)。これには神が渡って地上に降り立つ、という役目がある。
また、屋根を支えている木の柱も見逃せない。たいてい、本尊に関係のある神々や本尊のバーハンvahana(本尊の乗り物)などの手の込んだ彫刻が施され、かなり多数の露骨な性的描写がある。
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