ネパール

ロンリープラネット コラム集

盗難に遭うネパールの文化遺産

ネパールについて

過去20年間、ネパールからは膨大な量の芸術的遺産が美術品窃盗団に盗まれ、国外にこっそり運び出されている。1980年代だけで120点もの彫像が盗まれているのだ。盗まれた美術品の多くは欧米諸国の博物館や個人のコレクションで不本意な状態に置かれ、その一方でネパールにまだ残っている彫像については、悲しいことに、しっかりと鍵をかけて閉じ込められるという傾向が増えつつある。

ネパールの寺院に写真撮影を禁止しているところがあるのは、国際窃盗団がしばしば寺院の写真を闇の“ショッピング・カタログ”として発行しているためだ。それを見て彫像を盗んでくれという注文が入り、しばしば腐敗した役人の手引きで盗み出され、儲けの大きなヒマラヤ美術のマーケットで高値がつく。このような闇取引を禁止する国連の協定があるが、あまり強制力を持たない。

これらの盗難に遭った宝物のありかをつきとめて、判明したものを所蔵している博物館や個人コレクターに返還要求の圧力をかけるために、ネパール美術品のカタログがいくつか作成された。

2000年にはベルリンにある博物館から1点が、2002年にはさらに数点がカトマンズ博物館に返還された。これが、徐々にでもネパールの文化遺産が無事に故国に戻ってくるさきがけとなってくれるといい。

2005年にはパタンで盗まれた仏像が、オーストラリアの民族博物館になんとU$200,000で売られようとした後に返還された。

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