
ネパールの寺院で一番興味をそそられる木彫は、屋根の支柱(トゥダールtunala)にある。多くの寺院の支柱には、たいてい官能的なシーンが表現されている。支柱の中央に大きく彫られたものは稀で、支柱の下部に、メインの像に小さく添えられているものが多い。インドのカジュラホやコナーラクにあるような、感性に訴える繊細な彫刻ではない。ネパールのものは小さくて粗野なものが多く、漫画っぽいとさえいえるものもある。
題材はタントラ密教の原理で、ネパールにおいてチベット仏教の信者とヒンドゥー教徒が混在している影響も強く出ているが、本来の目的ははっきりわからない。生命サイクルの大切な部分への純粋な賛美か?多くの寺院周辺に見られる、謎めいた男根像(リンガ)や女陰像(ヨニ)よりも、シバやパルバティの創造的な役割に、強く関係しているのか?
あるいは、寺院を守るような役目があると考えられているのか?有名な言い伝えでは、稲妻の女神は恥ずかしがり屋の処女なので、エロティックな彫刻があるような寺院に落ちてくることはないということだが、これは、観光客を喜ばせるためにガイドが作った話と思ったほうがいいだろう。
理由はともかく、このようなタントラ密教の要素はカトマンズ盆地一帯の寺院に見られる。寺院によっては、一部の支柱に彫ってあるにすぎないが、すべての屋根の支柱に彫り込んである寺院もある。描写は、単純な露出行為に始まり、中には、男女の性行為の場面までさまざまである。珍しいものでは、オーラルセックスを含む3人での性行為や、アナルセックス、悪魔や動物との性交を描写したものもある。このような興味深いエロティックな木彫が見られるのは、カトマンズ盆地では、カトマンズ、パタンPatan、バクタプルBhaktapur、チョーバルChobar、ゴカルナGokarnaなどの町である。
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