
ビスケットジャトラ祭はネパールに新年の訪れを告げる祭りであり、カトマンズ盆地で最高に盛り上がる年中行事のひとつである。事前に、普段はバイラブナート寺院Bhairabnath Templeのわきやトウマディ・トールTaumadhi Toleのニャタポラ寺院Nyatapola Templeの裏に散らばっているバイラブBhairabの巨大な3層屋根の山車が組み立てられる。大きくて、ずっしりと重い山車は、何十人もの村人の手でカルナ・トールまで引っ張られて行く。このとき、バイラブナート寺院の裏手にある小さな寺院から持ち出されたビンロウジBetal(バイラブの親友)は、船首像よろしく山車の一番前に乗せられる。また、バイラブの妻バドラカリBhadrakaliも、自分の山車に乗って一緒に行く。
山車はきしみながら、かしぎながらも町中を練り歩くが、町の東側対西側でものすごい騒ぎの引っ張り合いも行われる。この時勝った側に、それから1週間、カルナ・トールの八角形のパティpati(巡礼者のための小屋)に逗留する神々の像を守る仕事が託されるのである。この引っ張り合いが終わると、山車は急な道をぎしぎしと音を立てながら滑るように下り、カルナ・トールに入る。広場に25mの高さの巨大なリンガlingam(男根の象徴)が石のヨニyoni(女性器の象徴)に突き立てられている。
元日にあたる翌日の夕方、柱が引き倒されると、また激しい引っ張り合いが起きたりもする。そして、この柱が地べたに崩れ落ちた時に新年が正式に始まるとされる。バイラブとビンロウジBetalはトウマディ・トールに戻り、バドラカリも川沿いにある自分の神殿に戻るのである。
バクタプル周辺では、新年を迎える1週間前から数日後までほかにも行事があり、地元の人たちの中には伝統的な赤、白、黒のストライプの布をまとう人もいる。壺作りのカーストの人々は、独自のリンガを上げ下げし、ガネシュGanesh、ラクシュミーLakshmi、マハカリMahakaliの像もかつぎながら町中を練り歩く。
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