
ポーターはネパールのトレッキング産業における大黒柱だが、毎年、急性高山病(AMS)、雪目、凍傷に苦しむポーターに関する(どれも避けられるような)事件が起こっている。こういった疾患の中には、命に関わる結果につながるものもある。それなのに、雇っているポーターの面倒を見ようとしないトレッキング会社の中には、こういった疾患などを優先順位のごく下に置いている会社があるように思われる。もちろんすべての会社に当てはまるわけではないが、特に低予算向けの会社ほど、自社の利益にばかり目がいき、その利益の元になっている人々の福利厚生は気にかけないようなところが多いのだ。
ポーターが低地の盆地出身であることも多く、その場合、貧しくて教育程度も低く、雇われて行く先の地域がどれだけ危険な可能性があるかの知識がないことも多い。猛吹雪という状況下で高山の隘路を通っている際に、薄い綿の衣類とサンダル履きという格好のまま、あとは自力で帰ってこいと取り残されたポーターの話を山ほど聞く。毎年、冬が終わるごとに、大勢のポーターの遺体が雪解けの後に発見されている。疲労や疾患、高度の影響などでちょっと雪の中で座り込んだことから、低体温の状態になり、死んでしまう者が後を絶たないのだ。個人的にポーターを雇うつもりなら、ある種の果たすべき義務が生じる。ポーターを雇う既存のツアーに参加する場合でも、企画会社には必ず、雇われているポーターの福利厚生について確認してほしい。
ポーターの酷使を防ぐため、1997年に国際ポーター保護グループ International Porter Protection Group(IPPG www.ippg.net)が設立された。このIPPGおよび姉妹組織であるポーターズ・プログレス Porters Progress(www.portersprogress.org)の狙いは、ポーターの仕事中の健康や安全状態を改善すること、避けられる疾患やケガや死亡事故の発生を減らすこと、そしてトレッカーおよびトレッキング旅行会社を啓発してポーターの福祉に目を向けさせることなどである。どちらの組織もポーターのために衣類バンクを運営しており、ルクラLuklaとカトマンズのタメル地区Thamelに支部がある。IPPGはタメル地区の国際登山探検家連合International Mountain Explores Connection ( IMEC, 2081407、www.moutainexplorers.org )内にオフィスがある。
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