
日常生活の中の信仰が重要だという証が、早朝から晩までネパールのあちこちで見られる。カトマンズの主婦が近所の寺院に捧げる素朴な朝のプジャ(供養)に始まり、町の僧院から聞こえる仏僧の読経に至るまで、信仰はネパール人の生活を支えている。
ネパールではヒンドゥー教と仏教が重層信仰の混合、ひとつの複合体として驚くほどの融和を遂げてきた。それがはっきりとわかるのは壮厳な仏教寺院とヒンドゥー寺院が隣接して並ぶカトマンズ以外にはない。ネパールは世界でたったひとつのヒンドゥー教王国といわれ、国王はビシュヌ神の化身として崇敬されている。
仏陀はネパールで生まれたが、宗教としての仏教がこの国に伝来したのは紀元前250年頃で、インドの仏教王国のアショカ王によって伝えられたという。その後仏教はヒンドゥー教に道を譲ったが、チベット仏教がタントラ仏教という形で紀元8世紀にネパールに入ってきた。今日の仏教はシェルパ族Sherpasやタマン族Tamangs、チベット難民など、主にヒマラヤ高山の人々によって信仰されている。
公式にはネパールはヒンドゥー教国だが、実際にはヒンドゥー教と仏教の信仰が混合し、さらにタントラ仏教の神々がヒンドゥーの神と同じ神殿に奉られたり、多くの場合、ヒンドゥーの神々と融合したりしている。国民の大多数はヒンドゥー教徒で、次に多いのが仏教徒、ほかに少人数のイスラム教徒とキリスト教徒、シャーマニズムの信奉者などがいる。
BILL WASSMAN
仏陀の像、スワヤンブの丘(カトマンズ盆地)
RICHARD I'ANSON
ネパールの新年の祭り
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