
潮風に吹かれ、いにしえのNYを想う
今では知る人も少ないが、ニューヨークには、長きにわたる名高い海事の歴史がある。 写真を拡大する⇒
そしてそんな歴史を垣間見る一番の方法が、この港を訪れることだ。現在では実際の港より、屋外モールやフードコートのほうが目につくが、停泊する木造帆船やサウス・ストリート・シーポート博物館など、潮の香りがするいにしえの日々の名残もたっぷりある。魚のにおいを感じるとしたら、それは鼻が覚えている過去のにおいの亡霊だ。180年にわたって愛され続けたシンボル的なフルトン魚市場Fulton Fish Marketは、2005年後半に閉鎖して、ブロンクスのハンツ・ポイントHunts Pointに移転することになっている。市場跡地をどうするかは、まだ検討中だ。この沿岸一帯の気骨のある歴史を知りたいなら、文芸ジャーナリストの故ジョゼフ・ミッチェルの著書をチェックしてみよう。ミッチェルは、1992年に選集として出版された「Up in the Old Hotel」の中で、この地区の多くの人々の姿を描き出している。
サウス・ストリート・シーポートの見どころ
ショップ、埠頭、観光スポットが詰め込まれた11ブロックにわたるこのエリアは、史跡保存の成功例と失敗例を組み合わせたような場所。ニューヨーカーのほとんどは気にとめていないエリアだが、潮風や海辺の雰囲気、しょっちゅう出没する大道芸人やにぎやかなレストラン(大半がチェーン店)に引き寄せられ、観光客はたくさん集まってくる。高架道のFDRドライブFDR Dr後ろにあるピア17(17番埠頭)Pier 17は、ウォーターフロント開発プロジェクトとしててこ入れされており、多くのショップ、おすすめレストラン(カバーナCabana、p217)、それに珍しく公衆トイレもある。埠頭周辺には、ここがイースト川のフェリー乗り場としてにぎわっていた、18〜19世紀の重要な建築物が並ぶ。ここにあったフェリー乗り場は、ブルックリン橋の架設とハドソン川の桟橋建設に伴い、使われなくなった。多くのショッピング・モール、歴史ある大型帆船、河岸のスペースが、足をのばして訪れる価値のある、美しい港の光景を作り出している。フルトン通り、フロント通りFront St、サウス通りSouth Stに囲まれた、旧倉庫街のシャーマーホーン・ロウSchermerhorn Rowには、斬新なショップ、高級ブティック、そしてニューヨーク・ヤンキース・クラブハウスNew York Yankees Clubhouse(Fulton St)がある(手数料無料でヤンキースのチケットを購入でき、ヤンキース・グッズもたくさん揃っている)。1983年に建てられた向かいのフルトン・マーケット・ビルFulton Market Buildingは、かつてこのあたりの多くの建物がそうだったように赤レンガの建物だが、中にあるのはピカピカのファストフード店とショッピング・アーケード。だが夏になれば、屋外庭園で、ブルース、ジャズ、ロックの地元バンドがしばしばライブを行っている。
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