
大道芸人やコメディアンを見物
この公園は、市内の多くの公共スペース同様、もとは貧しい人々の無縁墓地と公開処刑場だった(便利な組み合わせというわけだ)。ここ数十年は自慢できる部分もいろいろあったが、たいていの人はこの公園に対して、ニューヨーク大の非公式キャンパス、ストリート・パフォーマーの野外ステージ、マリファナ(ただし安物)のショッピング・モールといった、悪印象を持っていた。 写真を拡大する⇒
そして、麻薬取引、破壊行為、ネズミの大発生といったむごい状況にうんざりし、近隣の活動家グループが何年もの間、保護と大規模な修復への支援を呼びかけた。その結果、270万ドルの資金が集まり、普段はワシントン・スクエア・アーチWashington Sq Archと呼ばれている、すっかりガタがきていたスタンフォード・ホワイト・アーチStanford White Archの修復が行われた。高さ72フィート(約22m)、光輝く白い大理石のこの門は、特に2004年に長期にわたる修復が完了してからは、公園を美しく彩っている。最初はジョージ・ワシントンの大統領就任100周年を記念して、1889年に木造で建造されたが、あまりの人気に6年後に石で再建され、戦時と平時のワシントンの像で飾られた(後者は芸術家アレクサンダー・カルダーの父、A・スターリング・カルダーの作品)。1916年、芸術家のマルセル・デュシャンが門内部の階段で頂上へ上り、この公園を「ワシントン・スクエア自由独立共和国Free and Independent Republic of Washington Sq」と宣言したのは有名な話。現代版無政府主義は、地上で行われている─コメディアンや大道芸人が公園のひからびた噴水を舞台として使っているのだ。
だがこの門以外では、この公園にはまだまだ修復が必要だ。少なくとも、市当局に大規模な修復を始めるよう働きかけた人々はそう考えている。この計画は大きな議論を呼んだ。1600万ドルの修復計画に含まれる主要な工事は、噴水をアーチと同じ場所に移動させること、犬専用広場の移転、広場を芝地に変えること、そして最も人々を驚かせた、夜間閉鎖される花コウ岩と鉄のフェンスの建設などだ。公共スペース提唱者たちは憤慨し、長年この公園のファンだった人々は、雑然とした魅力のある現在のレイアウトの変更を残念がった。公園をめぐる状況は、前より美しくなるのではなく、醜くなるという道をたどっているようだ。
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