
サメット島には、タイ屈指のビーチがいくつかあり、バンコクからのアクセスも便利で安上がりだ。移動時間は半日もかからない。また、この島は比較的乾燥しているので、雨季に訪れるにも適している。当然ながら、このような魅力を持つサメット島は、外国人観光客のお気に入りのスポットとなっているが、タイの人々にも非常に人気が高い。そのため、特に週末やタイの夏休みの月である3、4、5月には、タイ人観光客の占める割合がいつもより高くなる。このような時期や、その他の祝日である11月上旬(ローイ・クラトン祭りLoi Krathong Festival)、12月5日(国王誕生日)、12月31日〜1月1日(新年の祝日)、1月中旬〜2月下旬(旧正月Chinese New Year)、4月中旬(ソンクラーン祭りSongkran Festival)には、かなり混雑することになる。タイ人の観光客がとても多いため、島民のファランに対する態度がそっけないと感じるかもしれない。スタッフが「フレンドリー」であるという記述がこの項にないのはそのためだ。また、お金を惜しみなく使うタイ人が多いので、宿泊料金はほかの島の同等あるいはそれ以上のレベルのところと比べても高めである。
タイの古典詩人であるスントーン・プーが叙事詩「プラ・アパイ・マニPhra Aphai Mani」の一部をこの島の海岸を舞台として書いて以来、このT字型の島はタイ文学において永遠の名を残すこととなった。白砂が豊富にあることから、かつてはケーオ・ピットサダーン島Ko Kaew Phitsadan、つまりたくさんの宝石がある島と呼ばれていたこの島は、島内に数多く成育するカユプテの木にちなんでサメット島(カユプテの島)として知られるようになった。カユプテの木は、東南アジア一帯で薪として珍重されていて、地元では船を造る木材としても使われている。
サメット島は、ヤー岬Laem Yaと近くに浮かぶ島々とともに、1981年に国立海洋公園に指定された。しかし、1980年代初頭に観光客が日帰りで島を訪れるようになると、それに着目した開発者たちがさらに土地を買い、宿泊施設を建て続けた。そこで国立公園局National Parks Divisionが介入し、島にビジター・センターを開設して、すべてのコテージを樹木限界線より奥へ移動するように命じた。公園への入場料の徴収も行うようになった。
最も開発が進んでいるのは、島の北端だ。サムイ島で見られるようなバーやエンターテインメント・スポットと比べたらはるかに少ないが、社交的な旅行者たちが夜更けまで楽しめるバーやレストランが数軒ある。島の環境は南へ行くほど静かになるが、建物が立ち並ぶウォン・ドゥアン湾Ao Wong Deuanだけは例外だ。ここから南は、一段と静けさが増す。孤独を求める人は、ここへ来れば望みどおりのビーチやコテージが見つかるだろう。
乾燥した気候のおかげで、サメット島は雨季に適した観光地となっているが、一方この気候は島に水不足をもたらす原因にもなっている。節水を心がけ、既に過剰気味の生態系の負担を少しでも和らげるようにしよう。
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