
タイの大きな宗教フェスティバルと行事には、特別な食べ物と食事の儀式が欠かせない。仏教徒は家の仏壇と祠に食べ物をお供えし、守護神であるピー(精霊)に、この先も幸運をもたらしてもらえるようにとお願いする。食べ物をお供えする習慣のある、もう一つの場所が仏教僧院。僧は現世でブッダを象徴する使者と見なされていて、その僧のために僧院では定期的に宴が張られる。このときは僧たちが食べ終えると一般の会衆も宴に加わる。同じような宴は結婚式や葬儀、家の新築などに当たって僧が招かれてお祓いするピティー・モンコン(祈願の儀式)においても催される。結婚式にはルーク・チュップ(大豆の餡にココナツミルク、砂糖を入れ、果物と野菜の形に仕上げたお菓子)も登場する。
さらに食べ物が関わる特別な行事が中国の旧正月トゥルット・チーンで、月餅(甘い餡、または塩味の豚肉の入った丸い菓子)を互いに贈り合う習わしがある。中国系の人たちにとっては、毎年のベジタリアン・フェスティバルも重要な行事だ。なかでも9月または10月に行われるテーサカーン・キン・ジェーは一番の行事で、中国の断食月の始まりを祝う祭とされる。このフェスティバルでは多彩な中国の精進料理が供され、自己苦行の業が行われる。
タイ南部では食べ物とお祝い行事との関わりはそれほど見られない。イスラム教の行事ラマダーンの間、敬虔な信者は1カ月間、毎日日没まで厳格な断食を守る。そしてラマダーン明けのイード・アルフィトルは毎年、盛大な響宴となる。
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