
この国の形はしばしば象の頭部に例えられる。その鼻はマレー半島だ。国土の面積はおよそ51万7000km2(フランスとほぼ同じ大きさ)。首都バンコクは鼻の上方にあり、さしずめ象の目といったところで、赤道の北14度に位置する(マドラス、マニラ、グアテマラ、ハルツームと同緯度)。
タイの気候はおそらく東南アジアで最も変化に富んでいる。長細い国土のため南西、北西両方向からのモンスーンを受けることになるからだ。タイの北部は樹木が生い茂る高山地帯だが、南部は熱帯雨林に覆われた石灰岩の低山がうねうねと続いている。沖には形も大きさも異なる何百という熱帯の島々が浮かぶ。マングローブが生い茂る平らな砂洲の島もあれば、大きなカルストの大山塊の島もあり、青い波が白い砂浜を洗っている。
バンコクは、タイの最も肥沃な農作地帯を貫流する大河の河口という得難い場所に位置している。この国の最北部は山々が連なり、大規模な農業には適していない。また東北部は土壌が薄く、しばしば洪水や干ばつに襲われる。それに対して南部は以前から海岸沿いに発展し、その結果沖に浮かぶ島々の観光も急速に発展した。その一方で南部の内陸地帯には、いまも熱帯の原生林が広がる。
タイの西海岸はインド洋の東端アンダマン海に面し、東海岸は南シナ海につながる浅いタイ湾に面している。どちらの海岸にも見渡す限り珊瑚礁が広がっているが、特にアンダマン海に浮かぶ花崗岩の島、スリン諸島 surin Islandsとシーミラン諸島 Similan Islandsの周囲の珊瑚礁は見事だ。プーケット Phuketの近くのパンガー湾 Ao Phang-Ngaには、さらに多くのリーフと、タイでも最もドラマチックな様相を見せる石灰岩の島々がある。
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